木型とは
「木型」― 聞きなれない言葉だと思います。
初めて耳にされる方は補強用の木枠を想像されるかもしれません。
実際は木枠からはかけ離れた、かなり精緻なものになります。
量産をする前に試作品で、製品のデザインや使い心地、機能の確認が行われています。
そしてこの鋳物を作るために必要となるのが、鋳造用模型 ―実物大で精密に製作される「木型」なのです。
鋳造の流れ
このような流れで鋳造されます。
- 図面
試作したい物の図面です。現在では3Dデータが主流です。 - 木型製作
3Dデータ・図面を元に、実物大の模型(木型)を製作します。 - 砂型造形(砂に形状転写)
鋳造用の特殊な砂を用いて、木型から形状を転写します。
木型を取りだしてできたものが砂型です。 - 鋳造(金属を流し固める)
砂型を組み合わせ、溶かした金属を流し込み、冷却します。
十分に冷却してから取り出し、余分なところを切断します。 - 鋳物完成
木型と同じ形状の鋳物が完成します。
弊社での木型製作工程
- 読み取り
- 図面、3Dデータ、方案(鋳造品を作る方法、仕掛け部分)を読み取る
- 製作
- CADを使用し、木型データを作成
- CAMを使用し、NCデータを作成
- マシニングセンタ、手作業にて加工
- 仕上げ
- 手作業により調整、組付け、仕上げ
- 検査、チェック
- 完成
木型の歴史
工業製品に木型が使われるようになったのは18世紀のイギリスにおける産業革命の時期からと言われています。
木で作られる理由は低価格で、加工しやすく、丈夫、そして修正が容易というところからでした。
近年、木型の主な材料は木材から樹脂などの合成木材に変わり、NCマシンという高性能な機械でより早く精密に形状を削り出せるようになりました。
しかし、仕上げ工程での細かい修正には、今でも職人による手作業が欠かせません。